幸正は気づくと天国のような場所にいた。雲の上に一筋の道があるので行ってみるとそこは閻魔様の城だった。
　そこで幸正は初めて死んだことを知らされる。死因は、釣りをしている最中に溺死であった。
　生前、釣りばかりしていた幸正は閻魔様の誘いにより、釣りの神様である「太公望」になるための試験を受けることになる。 しかし、釣りが得意な幸正でも、全部で7回の試験は困難きわまりないものであった。
　最後の試験は、釣りそのものの試験ではなく、現世に戻って自分が大切にしていた釣道具を持ってくることだった。 楽勝だと思った幸正であったが、そこに待ち受けていたものは、懐かしい家族達であった。 しかし、成仏して太公望になるためには、その懐かしさを振り切って閻魔様の元へと戻らなければならない、 最後の辛い試練だったのである。

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　作品を提出するに当たって、北海学園大学放送研究会内部で試聴会（予選）を開きました。
　2作品が提出され、それをサークル全員（総勢30名ほど）で聴いて感想と点数を付け、 本番さながらにやってみました。しかも、試聴会の後、選出された作品は5日間の手直し期間を経た後、 作品として運営委員会に提出しました。
　ちなみに、もう一つの作品は安斎隆史の作品で、 脳死と診断されたはずの主人公が、実は耳が聞こえ考えることもできる。しかし、体も口も全く反応しない。 そのような状況で、医療現場での家族と医師のやりとりを目の当たりにし、死にたくないのに殺されてしまう、 とてもブラックなストーリーでした。
　残念なことに、ストーリー性はあったのですが、作品としてのまとまりがないために、 長野直幸作「はす」が選出されました。